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監査役制度と委員会設置会社
監査役制度
監査役はコンプライアンスにおいて、重要な役割を求められ、その為商法では、改正の都度その強化がされてきました。
しかしながら、これまでに発生した企業不祥事の中において、「監査役は何をしていたんだ!」と、その機能を疑問視するケースがほとんどでした。
監査役の実状としては、情報収集のための部下もいなければ(または 少数)、情報をあげるシステムもない。また情報を得て、抑止しようとすれば軋轢を生み解任されるかもしれず、実行されない。解任をおそれず抑止しても、情報提供者である従業員は我が身が不安になりで、二度と情報提供しなくなる。更には、監査役は取締役会での表決権を持っていないので、代表権を取り上げる事も出来ない。
このように現実として、現在の制度では、監査役にコンプライアンスでの大きな役割を期待するのは、無理なものもあります。
委員会設置会社
委員会等設置会社とは2003年4月施行の商法特例法改正により、新しく導入が認められた企業統治制度で監査役制度に代わり、社外取締役を中心とした指名委員会、監査委員会、報酬委員会の三つの委員会を設置するとともに、意思決定と業務執行を完全に分離し監査機能の強化を図っています。
委員会設置会社では監査役が廃止されることから、コンプライアンス体制の構築は取締役会の下に一元的にコントロールされることになります。
各委員会は、3名以上の取締役で構成し、その過半数は社外取締役でなければなりません。
監査役制度と委員会設置会社の違い
執行役の設置
執行役や代表執行役を設置します。代表取締役や業務執行取締役は設置できません。
社長の解任
何か問題があったとしても監査役には表決権がありませんので、可決されるかわかりませんが、一方、委員会設置会社では、表決権を持った独立性を持つ社外取締役が相当数いるとなれば、可決される可能性は高くなります。
意見の限定
監査役の権限は、適法性監査に限局されると考えられていますが、委員会設置会社の構成は取締役であるので、適法性に関する意見に限定されず、妥当性や経営判断に関する意見の発言権も有します。
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