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世界で一つだけの内部統制
内部統制に絶対的モデルはない
最近は、弁護士・公認会計士・大学教授など様々な分野の方による、内部統制に関する多くの書籍や雑誌が書店等で売られています。
その中で書かれている『内部統制の定義』をいくつかを揚げると
- 企業内部の管理体制
- 不祥事を防ぐためのしくみ
- リスク管理
- 安心のための投資
- 企業の利益創出や存続を支えるもの
- 企業業務の適正を確保するためのしくみ など
更に、内部統制で何をどの程度までするかとなると、より大きな違いが出てきます。現在先進的に内部統制に取組んでいる企業においてもその取り組み方は様々で、いくつか例を揚げると
- ノウハウの文書化
- 業務改善
- 業務のマニュアル化
- 社風づくり、人づくり
- 組織・権限の見直し
- 内部監査部隊の強化
- 派遣から正社員切り替え など
内部統制には、理論的にも実務的に様々な考え方や手法、程度があり個々の企業が様々な取り組みを行なっています。
企業は法令や実地基準に則って、コンプライアンス体制・適正な財務報告書作成体制・業務の効率化を行なう必要がありますが、その範囲・整備・運用方法には絶対的モデルはなく、企業個々の業種・特性・社風等の違いにより、取り組むべき課題はかなりの差があるといます。したがって、内部統制関連の法令記述は、包括的・抽象的にならざるを得ませんし、また現在出版されている内部統制やSOX法関連の書籍についても、あくまでもガイドラインであって、成功への方程式が書かれているわけではありません。
内部統制システムの構築には、各企業が自社適したオリジナルの内部統制整備が必要となります。そのためには、経営陣を中心に全社員が共通の意識を持って、自社独自の内部統制づくりに取組まなければなりません。
監査法人との信頼関係
『オリジナルの内部統制を構築する』といっても、現実には『何をどこまでやるのか』なかなかわかりません。
そこで、自社の内部統制を最終的に評価してもらうことになる、監査法人とのコミュニケーションにより信頼関係を築いた上で、自分達の方針を伝えアドバイスをもらうことが重要になります。
ただし、監査法人は具体的に「ここを、こうやる」とは言えませんので、先ずは自社で方針を定め、それを示す事が必要になります。
自分達の方針を持つ事は、監査法人対し、内部統制への積極的な取り組み姿勢としてアピールにもつながり、心証に良い影響をあたえることにもなります。
内部統制は社内ルールでの完璧さを求めるものではなく、決められたルール通りに運用できているかが評価されます。初めから完璧を目指すあまり、非現実的なルールを定めてしまっては、元も子もありません。
自社の現状に応じて、中期的な計画での整備を目指し、監査法人とのやりとりの中から年度毎の落としどころを決め、積み上げて行くことが、統制の実現・業務の効率化からも有効となります。
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