会社法や金融商品取引法(日本版SOX法)で求められる、内部統制システムの概要・構築(フローチャート・内部監査・文書化等)の解説サイト

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経営者の対応

日本版SOX法における経営者の対応

 経営者は、組織のすべての活動について最終的な責任を有しており、その一環として、取締役会が決定した基本的方針に基づき、内部統制を整備及び運用する役割と責任があります。
 内部統制は、健全な企業経営及び慎重な業務遂行を目指して、経営者が社内に構築し自社に根付かせる仕組みであり、その最終的な構築責任は経営者になりますので、万が一、内部統制の不備により不祥事が発生した場合、経営者は直接的に経営者が関与していなくても、内部統制が不備な状況を放置していたことによる責任を負うことになります。

 また、内部統制は経営者の『意識』と言うものが重要であり、内部統制の整備・運用の成否は、経営者の姿勢いかんにかかっているといえます。内部統制に係る報告の枠組みの導入というのは、経営者の意識改革を図るもにほかならない、といった理解を行うことが重要になります。

経営者が対応すべき事項とその手順

 日本版SOX法において、経営者が対応すべき主な事項とその手順は以下の通りです。

①基本的計画及び方針の決定
 経営者は、内部統制の基本方針に係る取締役会の決定を踏まえ、財務報告に係る内部統制を組織内の全社的なレベル及び業務プロセスのレベルでの基本的計画及び方針(範囲・責任者・日程・手順等)を決定する。
②内部統制の構築
基本的計画及び方針に従って、全社的な内部統制と業務プロセスに係る内部統制毎に、適切な財務報告に係る内部統制を構築する。
③内部統制の評価
 財務報告に係る、全社的な内部統制と業務プロセスに係る内部統制とが、有効に機能しているかどうかを自己評価する。
④不備・重要な欠陥のの是正
評価の過程で見つかった、内部統制の不備および重要な欠陥について、適切な是正措置を講じる。

 期中に検出された内部統制の不備および重要な欠陥については、内部統制報告書の評価日(期末日)までに是正されていれば、内部統制は有効であると評価することができます。従って、内部統制の不備および重要な欠陥が検出されたならば、自社内の内部統制が有効なものとなるよう改善することが求められます。

罰則規定

 内部統制報告書が提出されない場合や、内部統制報告書の重要な事項について虚偽の記載がある場合には、5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科せられます。(金融商品取引法197条の2第5号・6号)

 また、この様な事態となれば法的な罰則だけでなく、株主からも経営者責任を追及される可能性や、企業イメージに悪い影響を与え社会的信用を失う可能性も高くなります。

 

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