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J-SOX法の枠組み
内部統制の基本的枠組み
内部統制とは、基本的に企業等の4つの目的(①業務の有効性及び効率性、②財務報告の信頼性、③事業活動に関わる法令等の遵守、④資産の保全)の達成のために企業内のすべての者によって遂行されるプロセスであり、6つの基本的要素(①統制環境、②リスクの評価と対応、③統制活動、④情報と伝達、⑤モニタリング、⑥ITへの対応)から構成されます。
このうち日本版SOX法(J-SOX法)が経営者評価を求めているのは、『財務報告の信頼性』に関する内部統制のみです。
この法律に基づく内部統制に関する規程は、2008年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
内部統制の整備・運用
内部統制の4つの目的は、相互に関連を有しており、企業は内部統制を整備・運用することにより4つの目的を達成していくことになります。
『財務報告の信頼性』との関係からみると、経営者は、自社のすべての活動及び社内のすべての従業員等の行動を把握することは困難ですので、それに代わって、経営者は企業内に有効な内部統制のシステムを整備・運用することにより、財務報告における記載内容の適正性を担保することになります。
また、内部統制システムの整備・運用を通じて財務報告の信頼性を確保していくことは、業務の有効性及び効率性の確保による情報処理コスト削減、更には市場における資金調達機会の拡大や資金調達コストの削減等を通じて、一定のメリットを企業にもたらすことになります。
経営者には、内部統制の基本的要素が組み込まれたプロセスを構築し、それを適切に機能させていくことが求められています。このため、単に内部統制を整備するだけでなく、それを意図していたように機能させていくことが重要となります。
なお、具体的に内部統制をどのように整備し運用するかは、個々の企業が置かれた環境や事業の特性、規模等に応じて、内部統制の機能と役割が効果的に達成されるよう、自ら適切に工夫を行なっていくことが必要となります。
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