会社法や金融商品取引法(日本版SOX法)で求められる、内部統制システムの概要・構築(フローチャート・内部監査・文書化等)の解説サイト

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J-SOX法の範囲

内部統制の義務化の範囲

 日本版SOX法(J-SOX法)によって義務の主体となる会社は、有価証券報告書の提出義務を負う会社、つまり『上場会社』になります。これは、日本版SOX法が、証券市場に対する投資家の信頼を確保するための制度だからです。(会社法の義務の主体となるのは、大会社と委員会設置会社です。)

 また日本版SOX法では、経営者が財務報告に係る内部統制の有効性を評価するに当たっては、単に自社だけを対象にすればよいというわけではなく、連結対象となった子会社や関連会社も含めた連結ベースになります。これは、財務報告が連結ベースで行なわれているためです。

J-SOX法,対象企業

連結対象となる子会社等

 例えばA社が上場会社である場合、A社は自社だけでなく、連結子会社であるB社の内部統制についても評価しなければなりません。
 B社が上場会社でない場合には、B社そのものはその義務を負いませんが、B社が上場会社の場合には、B社について、A社とB社の双方が内部統制について評価する義務を負います。ただし、コスト負担軽減のため、B社が作成し監査を受けている『内部統制報告書』をA社は流用することができます。
 

持分法適用となる関連会社

 持分法適用となる関連会社(原則:議決権所有率が20%~50%未満の非連結子会社・関連会社)も、評価の対象範囲に含まれます。ただし連結子会社同様に、関連会社が自ら作成し監査を受けた『内部統制報告書』がある場合には、これを流用することができます。
 なお、他の支配株主の存在の有無、役員(取締役・監査役等)の派遣や兼任の状況などによって、子会社と同様の評価が行なえない場合には、質問書の送付・聞き取り等の適切な方法により評価を行ないます。

在外子会社等

 在外子会社等についても評価範囲に含まれますが、所在他国に適切な内部統制報告制度がある場合には、当該制度を適宜活用することができます。

外部委託先

 企業が財務諸表の作成の基礎となる取引の承認・実行・計算・集計・記録又は、開示事項の作成等の業務を、外部の専門会社に委託している場合がありますが、委託業務に係る内部統制についても評価の範囲に含まれます。
 委託業務が、企業の重要な業務プロセスの一部を構成している場合には、当該業務を提供している外部の受託会社の業務に関して、内部統制の評価をしなければなりません。

 

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