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統制環境の事項例(2)
統制環境に含めれる事項例
組織構造及び慣行
組織構造が組織の目的に適合し、事業活動を管理する上で必要な情報の流れを提供できるものとなっていることは、組織の目的を達成し、組織の情報と伝達の有効性を確保するために重要である。組織は、その規模や業務の内容・提供する製品・サービスの種類・市場の性格・地理的分散・従業員構成等に従って、組織目的に適合した組織形態・権限及び職責・人事・報酬制度などの仕組みが経営者によって適切に構築されていることが重要である。
組織の慣行は、しばしば組織内における行動の善悪についての判断指針となる。
例えば、組織内に問題があっても指摘しにくい慣行が形成されている場合には、統制活動・情報と伝達・モニタリングの有効性に重大な悪影響を及ぼすことになる。組織の慣行は、組織の歴史・規模・業務の内容・従業員構成などの組織内部の条件や、市場・取引先・株主・親会社・地域特性・産業固有の規制など組織外部の条件に合わせて形成されたものであることが多い。したがって、特に長年に亘る組織の慣行を変えるには大きな困難が伴うことがあるが、こうした慣行に組織の存続・発展の障害となる要因があると判断した場合、経営者は、適切な理念・計画・人事の方針等を示していくことが重要である。
権限及び職責
権限とは組織の活動を遂行するため付与された権限をいい、職責とは遂行すべき活動を遂行する責任ないし義務をいう。事業活動の目的に適合した権限及び職責が設けられ、適切な者に割り当てられていることは、内部統制の目的の達成のために重要である。
人的資源に対する方針と管理
人的資源とは、組織の経営資源のうち人に関するものを指す。人的資源に対する方針とは、経営上の方針の一部として設定される、雇用・昇進・給与・研修等の人事に関する方針である。組織の目的を達成していくためには、組織の保有する人的資源の能力を高度に引き出していくことが重要であり、そのためには人的資源に対する方針が適切に定められていることが重要である。
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