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統制環境の事項例(1)
統制環境に含めれる事項例
誠実性及び倫理観
組織が有する誠実性及び倫理観は、組織の気風を決定する重要な要因であり、組織内のすべての者の社会道徳上の判断に大きな影響を与える。
誠実性及び倫理観について様々な取組みが考えられるが、例えば、組織の基本的な理念やそれに沿った倫理規程、行動指針等を作成し、これらの遵守を確保するための内部統制を構築し、経営者自らが関与してその運用の有効性を確保することが挙げられる。
経営者の意向及び姿勢
経営者の意向や姿勢は、組織の基本方針に重要な影響を及ぼすとともに、組織の気風の決定にも大きな影響を及ぼす。また、経営者の意向や姿勢をどのように伝えるかも組織内の者の行動に影響を与える。例えば、財務報告に関して、経営者が適正な会計処理や財務報告を尊重する意向を有し、これを実現していくための方針や原則を明確化、これを組織の内外に適切に伝え、その実現に向けて適切な体制等を整備していくことは、財務報告の信頼性を達成するための重要な基盤となる。
経営者が組織の内外に示す声明・日常の行動・予算・人事等の方針の決定などは、組織内の者の意識を通して組織の内部統制に影響を及ぼすものである。また、経営者の意向及び姿勢は、社訓・社是・経営理念・経営計画・倫理規程・行動指針など社内の諸規程に、直接又は間接的に反映され、組織内では、それらの諸規程の内容を達成又は遵守すべく内部統制が整備及び運用される。
経営方針及び経営戦略
組織の目的を達成するために、組織がどのような経営方針及び経営戦略を取るかは、組織内の者の価値基準に大きな影響を与え、かつ、組織内の各業務への資源配分を決定する要因となり、他の基本的要素に大きな影響を及ぼす。また、経営方針及び経営戦略に基づく組織全体の目的は、年度別・部門別等の予算・事業計画等を通して分解・具体化され、内部統制による管理の対象とされることにより、内部統制の目的の達成に資することとなる。
取締役会及び監査役又は監査委員会の有する機能
取締役会及び監査役又は監査委員会は、取締役の業務を監視する職責を負う機関で、会社法上の規定により個々の企業に設けられる制度である。例えば、取締役会及び監査役又は監査委員会が、実質的に経営者や特定の利害関係者から独立して意見を述べることができるか、モニタリングに必要な正しい情報を適時かつ適切に得ているか、経営者・内部監査人等との間で適時かつ適切に意思疎通が図られているか、取締役会及び監査役又は監査委員会の行なった報告及び指摘事項が組織において適切に取り扱われているか等、取締役会及び監査役又は監査委員会の活動の有効性は、組織全般のモニタリングが有効に機能しているかを判断する重要な要因となる。
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