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統制活動の概要
職務分掌
経営者においては、不正又は誤謬等の行為が発生するリスクを減らすために、各担当者の権限及び職責を明確にし、各担当者が権限及び職責の範囲において適切に業務を遂行していく体制を整備していくことが重要となります。その際、職務を複数の者の間で適切に分担又は分離されることが重要です。例えば、取引の承認・取引の記録・資産の管理に関する職責をそれぞれ別の者に担当させることにより、それぞれの担当者間で適切に相互牽制を働かせることが考えられます。
適切に職務を分掌させることは、業務を特定の者に一身専属的に属させることにより、組織としての継続的な対応が困難となる等の問題点を克服することができます。また、権限及び職責の分担や職務分掌を明確に定めることは、内部統制を可視化させ、不正又は誤謬等の発生をより困難にさせる効果を持ち得るものと考えられます。
リスクの評価・対応との統合
リスクの評価と対応において、あるリスクにつき対応策を講じることが決定された場合、リスク、とりわけ業務プロセスのリスクに対応するのは、主として業務の中に組み込まれた統制活動になります。この点でリスクの評価・対応との統制活動は密接な関係にあります。
組織は、統制活動においてリスクへの対応策が適切に実行されているかを把握し、必要に応じて、統制活動の改善を図ることが重要です。
統制活動の方針と手続
統制活動の方針は、全体にわたって標準的・統一的に定められることが適切なものについては、例えば、全社的な職務規程等の形で整備するとともに、これに加えて組織内の各部門又は活動単位ごとに定めることが適切なものについては、個々の業務手順等を整備することが考えられます。
また、この統制活動の方針を達成するため、それぞれの業務につき、必要に応じ、承認・検証・記録等の適切な手続を設けることが考えられます。
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