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目的・目標の設定
目的・目標の明確化
何事もそうですが、先ず始めに目的・目標を明確にし、計画を立てなければ挫折する可能性は高くなります。
「とりあえず、フローチャート図でも作るか」「在庫管理方法の文書化でもするか」で始めても、途中で頓挫してしまったり、できたものが必要な水準(SOX法のクリア)に達していない、などとなってしまいます。
- 対象業務、範囲
- 達成レベル
- 設備投資額
- 必要人員数(プロジェクトの立上げ)
- 外部協力者への支出額
- 完了期限
- 進捗度管理方法
- 優先順位 などを具体的(可能な限り数値化)に決める。
全従業員を巻き込む
内部統制システムの構築は、経営者の考え方(経営方針等)が大きく左右することも確かですが、企業の上層部や一部の従業員だけではなく、全従業員を巻き込んで取組まなければ、効果的な構築はできません。
内部統制の取組み内容には、これという答えがあるわけではなく、企業自身が考え決めてゆかなければなりません。見直しの対象となる業務の内容は、その業務を担当している人が一番熟知していますし、改善が必要な点も一番承知しています。この点からも現場からの声や協力は欠かせません。現場を無視し、上層部からの一方的な押し付けでは、絶対に上手くはいきません。全従業員が、共通の意識を持ったうえでの取組みが必要です。
また、実務となる業務フロー作成や問題点の洗い出し、そしてその対応策や改善には、現場担当者が中心になりますので、より効果的で迅速な改善には、担当者(全従業員)の普段からの業務に対する問題意識や改善意欲が問われてきます。
管理強化による影響
内部統制では誤謬や不正行為等のリスク回避のため、チェック機能の整備を求めています。性悪説(人間は過ちを犯すもの)に立ち、リスク回避を目的に管理・監視強化が図られ、さまざまなルールや規定が新たに設けられるケースがあります。しかしながら過度な強化は、業務の停滞や会社への不信感を抱かせ、競争力や企業の活力を奪いかねません。
ゆえに、内部統制の構築の基に行われる、新たなルールや規定導入の可否を決定する際には、導入によるコスト(管理部門の増員・システムの投資)や労力、リスク回避の効率や発生時の影響力等との比較検討が必要とされます。
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