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棚卸資産管理規程
棚卸資産管理規程とは
商品や製品を提供し収益を得るということは、企業活動において最も重要な業務であります。ゆえに、顧客の注文に対し、良好な品質で必要な数量を提供するための棚卸資産管理業務は、不可欠となります。
また、棚卸資産の管理は、過剰在庫を防ぎ、管理費・倉庫費などのコストダウン、盗難・横領などの不正防止の面からも、棚卸資産管理の徹底が求められます。
このように、棚卸資産管理は企業活動上不可欠であり、これらの運用規範やルールを定めたものが、棚卸資産管理規程となります。
棚卸資産管理規程の体系 例
- 総則
- 棚卸資産の範囲
- 現品管理
- 帳簿管理
- 倉庫管理
棚卸資産管理のポイント
棚卸資産の範囲
棚卸資産とは、直接販売もしくは加工のうえ、販売することを目的として所有する物品をいいます。その所有目的によって定義づけられるので、企業の業務内容ごとに、その種類はさまざまになります。例えば、土地や建物は通常棚卸資産にはなりませんが、不動産販売業では、棚卸資産になります。
財務諸表規則における棚卸資産の範囲は以下の通りです。
- 商品(販売の目的をもって所有する土地、建物その他の不動産を含む。 以下同じ。)
- 製品、副産物及び作業くず
- 半製品(自製部分品を含む。)
- 原料及び材料(購入部分品を含む。)
- 仕掛品及び半成工事
- 消耗品、消耗工具、器具及び備品その他の貯蔵品で相当価額以上のもの
現品管理
棚卸資産は、販売または製造消費されるまでは、その品質が損なわれないように、責任者を明確にし保管します。
棚卸資産の入庫時には、検収により数量・規格・仕様および不良品の有無の確認を行ないます。検収作業は重要になりますので、その方法を規程に明記したほうがよいです。
棚卸資産の出庫時には、販売によるものと社内の移動によるものとがありますが、いずれの場合にも、担当者により品目・数量・出荷先の確認後に出庫します。
実地棚卸
棚卸資産は、定期的に実地棚卸を行い、帳簿に記録された残高と照合するとともに、実在する棚卸資産の残高を確定させます。実地棚卸を行なう際には、数量の把握とともに、棚卸資産の保管状況や滞留状況のチェックも行ないます。
評価基準
評価基準は、重要な会計方針のひとつです。企業会計原則おいて、棚卸資産の評価基準には、原則として原価基準、例外として低価基準を採用することが認められています。
- 原価基準
取得原価(購入代価+引取運賃・購入手数料・関税などの付随費用)によって評価する方法
- 低価基準
取得原価と時下のいずれか低い方の価額で評価する方法
評価方法
評価方法は、重要な会計方針のひとつです。企業会計原則注解21(1)に規定されている評価方法は以下の通りです。
- 個別法
棚卸資産の取得原価を異にするに従い区別して記録し、その個々の実際原価によって払出単価を算定する方法
- 先入先出法
最も古く取得されたものから順次払出しが行なわれ、期末棚卸資産は最も新しく取得されたものからなるものとみなして払出単価を算定する方法
- 後入先出法
最も新しく取得されたものから払出しが行なわれ、期末棚卸資産は最も古く取得されたものからなるとみなして払出単価を算定する方法
- 平均原価法
期首繰越金額と当期受入金額との合計額を期首数量と当期受入数量の合計で除して、払出単価を算定する方法
- 売価還元法
異なる品目の棚卸資産を値入率の類似性に従って適当なグループにまとめ、1グループに属する期末棚卸資産の売価合計額に原価率を適用して期末棚卸資産を評価する方法
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